交通事故が発生した時、まず行わなければいけないのが、負傷者の救護です。これは道路交通法に定められている義務であり、怠ると処罰の対象となるので、自動車を運転・同乗する際は頭に入れておきましょう。

◎安全な場所の確保

まずは応急救護処置を安全に実施できる場所を速やかに選定する必要があります。ポイントとして、

  • 道路外の広場、空き地などの車の通行がない場所
  • 交差点、カーブ、坂道などを避ける
  • 救急車などの緊急車両との連携ができる場所
  • 夜間時は照明などがある場所

◎応急救護処置の手順

負傷者の応急救護処置で重要なことは負傷者の意識の有無で、意識がない場合は心肺蘇生法を手順を追って速やかに行わなければいけません。また出血がある場合は、直ちに止血法を行う必要があります。

  • 意識ありの場合、呼吸は十分か安静にして観察を続ける。
  • 意識なしの場合、まず助けを呼び気道を確保し、息をしっかりしているか確認する。していなければ人工呼吸を行い、頸動脈の拍動が触れるか確認する。脈がない場合、人工呼吸とともに心臓マッサージを行う。医師・救急隊員が来るまで続ける。

<意識状態>

負傷者発生時、まず意識があるか確認します。

負傷者に近づき「もしもし」「大丈夫ですか」などと呼びかけながら、負傷者の肩を軽く叩きます。もしも呼びかけに対し、応答(開眼・返答)がなければ意識障害があると考えて、大きな声で「誰か来てください!」と援助を求め、119番通報を依頼します。

<呼吸状態>

意識障害が認められたならば、次に呼吸状態を観察、判断するとともに、その対応として気道(口、鼻から肺に至るまでの空気の通路)の確保や人工呼吸を行います。

負傷者の胸が動いているかどうか、鼻や口に耳を近づけて呼吸音が聞こえるかどうか、吐く息が頬に感じられるかどうかを確認します。もしも胸の動きがない、呼吸音が聞こえないなどの場合、気道の閉塞か呼吸の停止が考えられるので、口の中の観察と気道の確保を行います。気道を確保してもなお呼吸がない場合は、人工呼吸を2回行います。

<脈拍状態>

呼吸がない場合、人工呼吸を2回行った後に心臓の拍動の有無を確認します。脈拍状態の観察と判断は、頸動脈の脈が触れる(感じられる)か触れないかによって行います。

あご先の拳上を行っていた手を負傷者の首に移動させ、のどぼとけ(喉頭隆起)の高さで人差し指と中指を揃えて指先を手前にずらし、のどぼとけと筋肉の間(甲状軟骨の脇)に軽く押し付けることで触れることができます。触れている時間は5~10秒以内に終わるようにします。もしも脈拍が触れない場合、直ちに心臓マッサージを行います。

<出血>

出血している負傷者を見たら、まず出血部位、出血の性状や程度など患部の状態を観察します。同時に、全身状態(意識、呼吸、脈拍など)を確認します。出血が認められる場合、直ちに止血法を行います。

応急救護は車に乗る人の義務です。不安な方は、消防署・公共財団法人の救急協会などで「応急救護講習」「普通救命講習」を行っているので、参加してみてはいかがでしょうか。また、交通事故について他に分からないことがあれば、是非当院までお問い合わせください。