むち打ちは、交通事故やスポーツなどによって首に不自然な力が加わることで発症する怪我です。首に力が加わる際、首がS字にしなり鞭を打ったような形になることから「むち打ち症」と呼ばれています。

ただ、むち打ちは正式な病名ではなく、症状を総称したものになります。病院の検査では、負傷の状態や症状によって以下の症状の診断がされます。

  • 頸椎捻挫 主な症状:首や肩の痛み、首の運動制限、頭痛

むち打ちの中で最も多いとされるのが頸椎捻挫型です。肩や首が痛いというほか、寝違えたような首の痛み、肩こりに似た症状が出ます。レントゲンやMRIで撮影を行っても、頸椎に異常が見つかる可能性は低いです。椎間板や靭帯の損傷が原因で症状が出ると考えられています。通常2週間前後で完治しますが、重症の場合、3週間からそれ以上の期間違和感が残ることがあります。

  • バレ・リュー(バレー・ルー)症候群 主な症状:頭痛、後頭部、うなじ付近の痛み、めまい、耳鳴り、耳詰まり、食べ物の飲み込みにくさ、息苦しさ、腕の痺れ、注意力の散漫

バレ・リュー型に多いのが頭痛です。他にも首の痛みやめまい、耳鳴りなどを伴う場合もあります。治療法は他のむち打ち症に準じることが多いですが、必要に応じて神経ブロック注射をうつ、抗交感神経薬の服用が考えられます。

  • 神経根症状型 主な症状:首の痛み、腕の知覚異常、痺れ、脱力症状、顔の違和感、後頭部や顔面の痛み

神経根とは脊髄の知覚神経、運動神経が集まる場所になります。椎間孔から腕の方向へ伸びている神経が、上下の頸椎に挟まれて痛みや痺れなどの症状を引き起こしています。首を動かしたり、咳・くしゃみをすると痛みを強く感じる特徴があります。レントゲンやMRIでは頸椎を撮影し、椎間板や頸椎に所見がある場合は手術する可能性もあります。

  • 脊髄症状型 主な症状:足のしびれ、頭痛、めまい、吐き気、集中力・思考力の低下、視覚障害、尿・便のしにくさ

頸椎には支えるための脊柱管というものがあり、この中を脊髄が通っています。脊髄が傷つくと、足に伸びている神経が損傷、足の痺れや歩行障害を引き起こします。MRIで脊髄損傷は確認できます。また、脊髄損傷が認められた場合、脊髄外来へ転院が必要となります。

  • 脳脊髄液減少症 主な症状:頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、背中の痛み

脳を保護する層の、くも膜や硬膜に何らかの原因で穴が開き、そこから脳を安定させるための脳髄液が漏れてしまう症状です。通常だと脳は、衝撃を受けないよう膜の中で水にぷかぷかと浮いているような状態です。しかし、交通事故などで脳を保護する膜が傷つき、その中の水が漏れてしまうことで、頭痛や吐き気などが引き起こされてしまいます。

特に交通事故後は興奮状態になりやすく、体の異常に気付きにくいものです。なので、何ともないと思っていても事故にあった際は必ず病院で検査を受けるようにしましょう。また、交通事故で治療を受ける際はぜひ当院までお越しください。